小売業は土日祝日休めないのが当たり前?

休みなしの小売業

かつて、私は小売業で働いたことがある。
入社の時の説明では、土日の休みは最低、月一回あるということであった。

ところが実際に入社してみると説明とは全く違った。

最初の一か月目に研修で行った店舗は、それなりに綺麗な店だったのであるが、二か月目に配属された店舗は一言であらわすと動物園のような場所だった。

店舗は汚く、商品が散乱して、どこまでが売り場で、どこまでが倉庫かわからない店だった。

大手小売店がやっている圧縮陳列とも違う、ただ何となく商品が並んでいるだけの店であった。

当然、食品など、賞味期限のあるものでは期限切れの商品が普通に置いてあった。

店を見た瞬間、いやな予感がした。

そして、この予感は的中する。

まず、休みが満足に取れないのだ。

小売業なので土日、祝祭日関係なく出勤である。

勤務シフトはパート優先、社員は後回し

それで、一か月のシフトを組むときに、優先的にパートのオバちゃんの希望を通すことになる。

この会社のオーナーは、何故か、パートの人間を社員よりも大事にしていた。
人件費が安いからか?あるいは男よりも女を大事にする人だからか?バカだからか?
詳細は不明であるが。

それで、パートのオバちゃんのシフトを優先的に決めていくと社員の男の私は、必然的に平日だけになってしまう。

当時の私の休日は、月曜日と木曜日の2日だけであった。
祝祭日はない。年間休日96日である。

せめて休日を木曜日ではなく水曜日にして欲しいと願い出ても却下された。
土日が仕事なので、当然、友人と遊びに行くことも不可能である。

私は、結局、この会社に勤務していた2年半の間、誰とも遊びに行けなかった。

土日の休日は2年半で2回だけ

退職したときに数えてみると、二年半の勤務期間で土曜日の休みを一回、日曜日の休みを一回、合計2回だけ、週末に休日を取得していた。

しかも、当時の私の上司は、自分だけは、ちゃっかり「仕事の勉強会」の名目で、必ず毎月第一日曜日だけは絶対に休暇を取得していた。

宗教にハマる上司

しかも「仕事の勉強会」というのは、まったくの嘘で、本当は自分が入っている宗教団体の集会に参加するためなのであった。

私の住んでいる地方から東京まで、飛行機か新幹線か知らないが、高い交通費をかけて参拝に行くのである。

この店長は出勤しても売り場に出て、仕事をすることもなく、裏の事務所で宗教の本を読んで数珠を片手に念仏?呪文?を唱えていた。事務所の近くを通ると線香くさかった。

なぜ、この男が給料を貰えているのか、不思議でならなかった。

そして、後に、というか、既に、この店長は私の住んでいる地方から東京までの往復の交通費、お布施、自分の生活費を捻出するため、会社の売り上げに手をつけていた。

横領である。

宗教にハマった上司とパートのオバちゃんとの板挟み、しわ寄せは、全て私に来た。

しかも、驚くべきことに経営者は、この事実を知りながら見て見ぬふりをしていた。
私が休みを取れないことだけではない。

上司の不正行為、横領すらもである。

会社の売り上げを盗んでも、お咎めなしなのである。

そして、この宗教にハマった上司からは休日でも、時間帯に関係なく自宅に電話がかかってくる。

「あの件、どうなった?」

「あの書類は?」

・・・・・・

オマエが上司なんだから、自分で把握しておけといっても無理であった。

驚くべきことに、この上司は読み書きが、まともに出来なかったのである。

一応、かな文字についての読み書きは出来るのであるが、小学校3年程度の漢字の読み書きが出来ないのである。

文盲の店長から、休日でも一日数回、自宅に電話がかかってくる。

まったく休んだ気がしない。

このため、私は、この小売業で働いている間、絶対に携帯電話を持たなかった。

携帯電話なんか持った日には、どれだけ時間を拘束されるか、わかったものではない。

携帯電話がなければ、連絡が取れないことの言い訳にもなる。

耐えかねた私は、上司の動かぬ不正の証拠を集めて、社長に直談判し、この店長を解雇に追い込むのであるが、それからは余計に酷くなった。

バカ上司が辞めたため、私が入社、6ヶ月目で店舗責任者になった。

退職した宗教店長は逆恨みして、毎晩、深夜に無言電話が自宅にかかってくる。
狂信者とは気持ち悪いものである。

深夜の嫌がらせの無言電話で睡眠不足になる。

ろくに引き継ぎもしないで、業務を行うので事情が良く分からない。

店長の足かせの外れたパートのオバちゃんは勝手放題をはじめる。
(まるで動物園のようであった)

しかも、私は、出世?したのかもしれないが給料は上がらない。

ここで、ひとつ学んだことがあるとすれば、出世しても、特に美味しい「権利」が期待できるわけではない。
増えるのは「義務」だけであるということであろうか。

そして、当然のことながら、会社の体をなしていない、この小売業の会社は、しばらくして潰れることになる。

ここで学んだことは「当たり前のことを、当たり前に出来ない会社は潰れる」ということである。

これについての詳細は、いつかまた別の機会に書こうと思う。

休日、祝日出勤手当と小売業

五月の連休で思い出すのが土日、祝日はまったく休めなかったブラック小売業での仕事である。

一応、当時の会社の給与規定では土曜日は手当てが付かないのであるが、日曜日と祝日は出勤すると5000円の手当てが付いた。

祝日の多い5月は2万円から3万くらい基本給とは別に手当てがついた。

ボーナスも満足に出ない会社だったので、これは大きかった。

ボーナスも論外であったが、有給休暇も無論のことなかった。

しかしながら、当時は私も20代である。

遊びたい盛りではないか。

カネよりも時間の方が貴重なのであったが、それは叶わなかった。

今思えば、人を使い捨てにするブラックな会社であった。

世間様が休みの時に、仕事をするのは結構つらいものがある。

仕事のことでいえば連休中に一番厄介なのが釣り銭の不足である。

祝日は銀行が閉まっているので売上金の入金、および釣り銭の確保が出来ないのである。

売上金は会社の金庫に入れておくのであるが、金額がたまって大きくなると、なかなか落ち着かない。

たまに強盗のニュースを聞くとチビリそうになったものである。

そして何よりも釣り銭が無くなると営業が出来なくなる。

あの当時、私の上司だったバカ店長は、隣の市にあるショッピングセンターに出店している系列のチェーン店まで両替のためだけに往復2時間かけて行っていた。

ショッピングセンターではテナント店のために銀行休業日でも両替サービスを行っていた。

それで、このバカ店長はこうした連休には最低1日1回、酷い時には1日2回も両替のためだけに隣の町のショッピングセンターまで行くのだ。

一日、2回行った時には往復で4時間である。

通常の勤務時間は8時間であるから、仕事の半分はクルマの運転で終わったことになる。

あほみたいである。

しかも、当時、この勤務先の会社は地元で8店舗を展開していたのであるが、釣り銭の両替で、こんなアホなことをしていたのは、私の上司、バカ店長一人だけである。

この店長が宗教にはまり、会社の売り上げを横領していたことは別記した。

そして、アホなことをしていた会社なので倒産してしまった。

当然の帰結であろう。

この会社の社長も会社が潰れそうな時は、資金繰りのために消費者金融に手を出したのであろうか?

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