MSからMRへ転職したい
こんにちは。管理人の転職王子、ヤメタイジョーです。今回は「MSからMRへ転職したい」というテーマです。
私の友人でMS(医薬品卸の営業)からMR(医薬品メーカーの営業)へ転職した男がいます。
彼は瀬戸内海を一望できる港町で生まれ育ち、地元のそこそこの進学校から関西の中堅私立大学へ進学、卒業後は長男なので仕方なく地元に帰りました。Uターン就職ですね。
折からの就職氷河期の時代です。なかなか採用は厳しかったのですが、一社だけ内定を貰えた会社、それが医薬品卸の会社だったといいます。いわゆる地場卸です。彼は文系卒で理系ではありません。なので、無論、薬剤師の資格も保有していません。
それで、どんなことを仕事としてするかも知らずに入社したわけですが、、、
早い話が医者の雑用です。掃除作業と呼ばれることもあるようです。
犬の散歩、洗車、タイヤ交換,往診の送迎、庭の草むしり、ドクターの奥さんから近所のスーパーでコショウを買ってこい。屋根の上でフンをしているノラ猫を捕まえて来い。
とにかく、ありとあらゆる雑用をしなければならなかったといいます。
人間としての尊厳は、この仕事に就くことによって失われたと彼は言いました。 それで、この雑用を大量にこなせばこなすほどドクターからは点数が高いセールスとして認識されます。
この元MSが言うには「士農工商、イヌ、クスリ屋という身分制度が医療業界にはある。ドクターの飼っているイヌは人間であるクスリ屋よりも、扱いが上なのだ。だって、ドクターは自分の飼い犬は大事にするけど、人間であるクスリ屋は大事にしない。まるで江戸時代の「生類憐みの令」みたいなものである。
この身分制度で、一番上の「士」に当たるのが大病院のドクター、次が「開業医」そして次が病院でクスリの発注権を持つ婦長や薬局長、事務長などの人たち、次が看護師、その次がドクターの飼っているイヌ、その下がクスリ屋なのだ。
さらに言うとクスリ屋にも二種類あってMR(医薬品メーカーの営業)と、MS(医薬品卸の営業)に分けられる。MRの方が給料、その他の面で厚遇されていることは間違いない。少なくとも雑用からは解放されているはずだ。
というような内容の話でした。それで、彼は人間としての尊厳を取り戻すべく、 会社を辞める、転職することにしました。利用したのは、ネットで情報収集できる無料登録の転職サイトです。
彼はMSとしての経験を活かし、MRに転職しました。瀬戸内海を眺めて育った彼ですが、現在では海のない長野県でMRとして仕事をしています。
転勤のないMRの職を選択することも可能であったけれど、彼は将来的なことを考えて転勤もありうる営業職を選びました。現在、彼は自分の職場環境に満足しているようです。
医薬品卸のリベート アローアンス
医師が使うクスリ、薬剤を決めるのは効く効かないではない、儲かるか儲からないかである。
かつて、私が医薬品の営業をやっていた時代とと医薬分業が進み、薬剤師が処方する調剤薬局で薬が出されるようになった現在では状況が多少異なるかもしれない。
しかしながら、本質は変わらないであろう。
当時は医薬品メーカー(MR)から提示される条件という名のキャッシュバック、医薬品卸のセールスとの人間関係で使用される薬剤が決まった。
その薬剤を使用することで、いくらの金額が儲かるかが最優先事項であって、患者が病気を治療するか否かは、どうでも良いとされていた。
患者のことは最初から最後まで、一顧だにされていなかった。
医者が気にするのは薬価差と仕入れ値の差額、つまり薬を使うことによって得られる利益と、奴隷か召使いのように言うことをきく医薬品卸のセールス(MS)の都合だけであった。
MSもまた、儲かるクスリを医師に推奨することは言うまでもない。
この場合の儲かる薬とは会社側が拡販等でプッシュするクスリという意味である。
こうした拡販キャンペーンが行われる薬剤は多くの場合、アローワンスと呼ばれる二次差益、リベートがベッタリ付随していた。
この新薬を何軒の病院に入れて来たら、この金額のリベート、何千錠入れて来たら、これだけのリベートという風にである。
このメーカーからのアローワンスが医薬品卸では貴重な収入源となっていた。
時に、このアローワンスを得るために病院の口座を借りてカラ伝票を切ることさえあった。
カラ伝票を切ることで、過剰になった在庫は現金問屋にバッタ値で流すか、実績(グロス)にならない大病院に納入(入れる)された。
余談かもしれないが、医薬品業界では販売、納入することを「入れる」という。
まるで、浣腸を「入れる」かのような響きである。
これは生活雑貨卸(洗剤や歯ブラシ、紙おむつなどを取り扱う)がサプライチェーンに納入、販売する商品のことを「まく」というのと同義であろう。
「まく」は「撒く」である。語源はもちろん「バラ撒く」から来ている。
この「まく」は主に新規商品を拡販するときに使用される単語である。
メーカーがテレビコマーシャルや雑誌、新聞等で派手な広告を始めたのに合わせて、卸は「撒く」のである。
「撒かれる」のは小売店と一般の消費者である。
話がだいぶ逸脱したが、所詮、医療の現場も資本主義社会の一部でしかない。
効かないどころか、有害であることがハッキリしている抗ガン剤の使用が未だに許されているのも全て医薬品産業と 病院経営者などの利害関係でしかない。
抗ガン剤の中身が殺傷効果のあるマスタードガスと同じものであることを一般の患者、大衆はほとんど知らない。
マスタードガスが、抗ガン剤として使用されているのはゼニ儲けの目的と、もうひとつは人口削減のためである。
ゼニの論理、「彼ら」の論理は、ココでも最強である。
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