夜勤の看護師は辛い、きつい

和歌山県に住むジュンです。

私の勤務していた病院は、地方の大型総合病院でした。病床数は合計550床あり、身体的な治療が必要な病院と精神科病院との二院に分かれていました。

勤務医師の数は約100人です。総合病院ですから科は多く、内科、消火器科、呼吸器科、神経内科、眼科、小児科、呼吸器外科、脳神経外科、心臓血管外科、泌尿器科、産婦人科、外科、リハビリ科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、麻酔科、皮膚科、放射線科、形背外科、病理診断科、精神科などがありました。
入院病棟は全部で12棟あり、うち4棟は精神科の入院病棟です。それらの他に、手術後患者や超重症患者のためのICU病棟もありました。

病棟1棟に勤務している看護師の人数は約20~25人、病床数は一棟につき40~50床です。日勤は看護師は12人程度勤務し、夜勤は3人でした。
シフトは三交代制でした。三交代制というのは、日勤の8時30分から17時15分、準夜勤の4時30分から1時15分、深夜勤の0時30分から9時15分までです。

勤務体制としては深夜勤務をする際は日勤とひとくくりにするという風習がありました。
たとえば10日日勤、11日深夜勤だとすると、10日の朝8時30分からいつもどおりの仕事をし、夕方一旦帰宅して食事や仮眠等を数時間とり、また2日の深夜0時30に出勤するというものです。年間休日はカレンダー通りの祝日の日数分と有給20日分程度が不規則な勤務のなかに組み込まれていました。夜勤をする病棟看護師は、基本は平日も祝日も関係なく出勤するのです。しかし、外来看護師や手術場の看護師は基本は日勤で一般的な休日や祝日はおやすみです。当直になったときだけ夜勤がありました。また、待機といって病院からの緊急呼び出しに備えて自宅で待機しておく日もあり、その日は待機をしていても休みとみなされていました。
一般的な病棟看護師の休みの日の過ごし方は前日の勤務に左右されることが多いです。

たとえば1日が日勤、2日に休みならば朝から友人と近くに出かけたりして一日を娯楽や外出等に費やすことができます。

また、1日が深夜勤ならば、1日の午前中には仕事は終わるのですから、そのまま帰宅して睡眠をとってゆっくりと体を休めて家事をしておき、2日目には少し遠出をして遊びに行くこともできます。また、深夜勤務が終わったその足で飛行機や電車に乗り込み、泊まりがけの旅行をして楽しむこともしました。しかし、1日が準夜勤となると、仕事が終わるのは実質2日の1時15分になるので帰宅すると疲れて昼前まで寝てしまい、結果どこにもでかけず家でゆっくりしたり家事をしたりしていることが多かったです。休みの日とはいえ看護研究等の委員会の会議や、詰所会という病棟の会議などもあり、休日なのにまた勤務先の病院へ行って仕事に携わらねければいけないことも多かったです。
私は病院で一番多忙な病棟に配属されていました。消火器内科なのですが、呼吸器疾患の患者や結核患者、そして末期癌の患者がほとんどでした。

死亡する方は2日に1人はいました。定時の勤務開始時間よりも1時間近くは早く仕事場に入り、その日にする処置や手術、検査、体を拭く等のケアをチェックしてから午前中の分の大量の点滴類を作成、準備します。検査や手術のための前処置の準備もし、すべての物品を自分が使うワゴンに詰めます。日勤の場合は朝のうちに採らなければいけない血液を採血しにまわります。病院のさだめられている勤務開始時刻になると申し送り、つまり夜勤看護師から患者の状態を聞きます。そして担当する患者のところに行き、尿量のチェック、点滴のチェックと定められた時間に行う点滴をします。末期がんの患者も多く麻薬の投薬や急変時には医師との連絡調整も行います。オムツ交換、シーツ交換、清拭、着替え、排泄の手伝い、食事介助、口腔ケアの介助、輸血、腹水穿刺の観察と医師の介助、体温や脈拍、血圧といったバイタルサインチェックをします。検査や手術の前処置、出頭なども介助します。もちろん死後処置なども多かったです。重症な患者が多く、なにをするにも医療的観察や介助が必要であり、看護師が必ずつきそっており、看護記録などもこなすと退社時間はいつも2時間ほど超過していました。

給料は6年間勤務しておよそ28万円、手取りで21万円でした。地方公務員の分類となっており、一律で設定されていました。
夜勤中に一番イヤだったのは、患者の容体急変です。

末期の患者ならば逝去されてしまうことも多く、急変して救命措置をほどこし、ICU病棟に救急搬送しなければならないことも少なくありませんでした。
やはり患者だけでなく、家族のサポートも十分してあげたいというも思うのですが、夜勤は看護師の勤務人数が少ないため、忙しく、なかなか家族サポートまで手を十分にまわせませんでした。

普段の業務もミスをしないようにこなしていかなければならなくて神経もすり減ってストレスでした。
病棟看護師のような不規則な勤務は短命と言われていますが、それは私が勤務していた病院でも問題になっていました。

特に前述した日勤深夜勤をひとつにまとめてこなすというシフトは体に負担が大きいのではないかと病院上層部で問題になっていたようです。

夜間になにかトラブルが発生したとき、まわりに助けてくれる人や同僚がいないという勤務体制が肉体的疲労だけではなく、精神的疲労の増強につながるため、結果ストレスが大きくなってしまい、短命な方が多いのではないのでしょうか。
とくに病院や介護施設といったようなところは、急変時に人手がありすぎても困るといったことはないと思います。

これはその職業になって勤務してみないとなかなか一般の方には分からないのだろうと考えます。
病院や介護施設の夜勤体制を社会全体で見直す必要があるのではないのでしょうか・・・。

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