田中精密工業の人員削減、早期退職リストラ,希望退職
田中精密工業の人員削減、リストラが発表されました。新聞などのメディアで発表される以前から会社内では業績不振に関する噂が駆け巡っていたはずです。労働組合の職場集会でも、この人員削減に関する事案は取り上げられていたのではないでしょうか?
今回の早期退職、リストラも案の定というか40歳以上の従業員、つまり、人件費、給料の高い従業員が対象です。まだ人件費の安い若い人間は人員削減の対象外になっています。
田中精密工業は海外(アメリカ、タイ、ベトナム、インド)にも生産拠点となる工場を複数所有しています。外国から日本に帰りたい人は、この希望退職のチャンスを逃さない方が良いのではないでしょうか。
海外駐在の人にとっては退職金も割り増しになるでしょうから、割り増し退職金をもらい日本に帰国するという千載一遇の機会ではないでしょうか。
また日本国内、富山県の工場で働く人にとっても、今後ますます空洞化していくことが予想される日本の製造業にしがみつくのも考えものかもしれません。一応、会社側からも再就職支援はあるようですが、自分の人生をアナタ任せにして良いはずもありません。自分の人生は自分が主体的に動くべきではないでしょうか?
いづれにしても保険をかけておくつもりで無料登録で求人情報を調べることが出来る転職サイトに登録だけでもしておいて損はないのではないでしょうか?
労働力としての自分自身の市場価値が、果たしてどの程度のものなのか?これを知ることから転職活動は始まるのではないでしょうか。
今回の田中精密工業の希望退職の直接の要因はハイブリッド車の市場拡大、ならびに大型自動車エンジンの衰退、需要減が理由とされています。
しかしながら、本当にそうでしょうか?私は日本の製造業自体がかつてのような国際的な競争力を持たなくなったことが最大の要因ではないかと考えています。
もう、かつてのような「MADE IN JAPAN」の栄光はないのです。
19世紀の時代、綿織物で世界市場を席巻したイギリスの繊維産業がほとんど残っていないのと同様に日本も製造業以外で食べていく方向性を探る時期に来ているのではないでしょうか?
ちなみに英国はサッチャー政権時代に「金融」で食っていくことを選択しました。
米国はITと金融、軍事で食べていくことを選択しました。
アメリカは既に自動車産業は捨てているのです。昨今、世界を席巻しているアメリカ企業はグーグルであり、マイクロソフトであり、フェイズブックです。全てアメリカ企業です。
日本の国は、いったい何で、これから食べていくのでしょうか?
また、田中精密工業は売り上げのほとんどを本田技研に頼っている典型的な下請け外注工場です。親会社の動向、経営方針が如実に反映されるわけです。元請けではない下請けの悲哀を此処に感じます。
滑川工場の閉鎖
北日本新聞の記事を抜粋、要約。
希望退職は40歳以上の正社員が対象。
8月2日から25日に募集し、退職日は10月末を予定する。
退職金を割り増しして支給し、再就職支援も行う。
滑川工場を閉鎖し、設備や人員を本社工場に移す。
希望退職者を田中精密工業と子会社のタナカエンジニアリングの2社で合計130人程度募集する。
2割程度の人員削減。
希望退職の募集は2010年、2017年に続き3回目。
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