LIXILリクシルの希望退職

東京オリンピックが終われば建設需要が、相当落ち込むことは開催が決まった時点で分かりきったことでした。前倒しで日本の国の建設需要を食べてしまったのですから、残ったのは搾りかすのような建築案件のみです。

オリンピック開催前は建材業界、建設業界は人手不足に悩むくらいだったかもしれませんが、オリンピック終了後は、業界全体で相当の冷え込みを覚悟しなければなりません。

人員過剰になれば、当然行われるのが希望退職です。
前回の希望退職はトステム、イナックス、新日軽などいくつかの会社が合併した後の過剰人員を調節するのためのものでした。

今回は、従業員の平均年齢を下げる意味合いもあるかもしれません。

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LIXILがMBO検討、日本脱出も

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6310912
2019
1/21(月) 8:15配信

日経ビジネス
スクープ LIXILがMBO検討、日本脱出も

LIXILグループに激震が走っている。プロ経営者の瀬戸欣哉社長からCEO(最高経営責任者)の座を取り戻した創業一族の潮田洋一郎会長が、MBO(経営陣が参加する買収)で日本の株式市場から退出し、さらにシンガポールに本社も移そうとしていることが明らかになった。年間売上高が2兆円に迫る巨大企業の日本脱出計画は、本当にこのまま進むのだろうか。

【関連画像】潮田氏は自らCEOに就き、新たなシナリオを実現しようとしている(写真=稲垣 純也)

極めて異例のシナリオだが、潮田氏はどうやら本気だ。業界トップの大企業が東京証券取引所での上場を廃止し、本社をシンガポールに移転するという過去に例がない大転換を進めようとしている。潮田氏はシンガポール取引所(SGX)への新規上場も目論んでいる。

関係者によると、LIXILグループは昨年、MBO・本社移転・シンガポール上場という一連の計画を検討することを取締役会で決議している。つまり、この計画は潮田氏が独断で進めている話とはもはや言えない。一連の計画に反対していた瀬戸氏をCEOから降ろしたことからも、潮田氏の本気度がうかがえよう。瀬戸氏を退任させるのは、この驚きの計画を前に進める布石だった。

なぜ日本の株式市場から退出したいのだろうか。根底には市場から評価されていないという不満があるだろう。株価は冴えない。トステムやINAXなど多くの企業の統合で日本最大の住宅資材・住設機器メーカーとなったLIXILだが、潮田氏は「株価はコングロマリットディスカウントに陥っている」と不満を示していた。潮田氏の見立てでは、どの機関投資家も業種を絞った専門的視点に立つようになったため、その分野以外の事業を適切に判断してもらえなくなったという。

こうした不満を解消するため、潮田氏は当初、会社分割による2社上場を考えたようだ。今のLIXILグループを事業ごとに2つに分割し、1つを国内で、1つを海外で上場させようと検討していたとされる。事実上のLIXIL解体だ。だがバックオフィス部門など、LIXILグループとしてすでに1つに統合されていた部分をもう一度切り分ける事務作業は非常に煩雑で、予想以上に手間取ることがわかった。そこで検討されるようになったセカンドプランが、今の案だ。

この案をもう少し整理してみよう。東証1部に上場しているLIXILをMBOにより上場廃止にする。その後、本社をシンガポールに移し、SGXに新規上場する、というのが大きな筋書きだ。LIXILの時価総額は足元で約4500億円。潮田氏がMBOをするにはプレミアム(上乗せ幅)を考慮すると最低でも5000億円以上が必要になりそうだ。

だが、このハードルは高くないのかもしれない。MBOに必要な資金をつなぎ融資でいったん調達し、その後すぐにSGXで株式を売り出して回収したお金でつなぎ融資を返す、という芸当も可能だからだ。

ただSGXに上場する新会社がどんな評価を受けるのかは読みにくい。シンガポールならコングロマリットディスカウントが起きないという保証もない。本来の企業価値は変わらないはずだが、持ち株会社なのか、事業会社なのか、どのような形で上場させるかによっても評価が変わる可能性はある。

シンガポールに本社を移転すれば、日本よりも法人税率が低いため、節税効果が得られることが想定される。潮田氏自身が現在、居を構えて生活の拠点にしているのもシンガポールだ。

地域別売上高(2018年3月期実績)をみると、圧倒的に多い日本の次がアジア、そして北米、欧州と続く。LIXILは現時点ではアジア企業であり、欧米市場への上場は考えにくいのだろう。そうなると主要な市場は香港かシンガポールかという選択肢しかない。香港市場の規制の問題などを考えると、やはりシンガポールというのは自然な選択だと考えられる。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6316439

LIXILグループが3月7日に一部の機関投資家向けに説明会を開催した。2月25日に公表した、瀬戸欣哉社長をCEO(最高経営責任者)から事実上、解任した経緯に関する調査・検証結果について、機関投資家に理解を求める狙い。だが、説明会に参加したある投資家は、「説明会は紛糾した。納得した人はほとんどいなかったのではないか」と怒りをあらわにする。説明会は投資家の怒りの火に油を注いだ格好になった。

潮田氏に対する投資家の不信感が強まっている

説明者は、社外取締役で監査委員会委員長を務める川口勉氏。冒頭、CEOなどの交代について心配をかけたことについて謝罪し、弁護士による報告書への理解を求めた。調査報告書の原本は18ページあったことを明かし、「会社の機密事項などもあること」から8ページに要約したと説明。「約45%、ほぼ半分が反映されている。10分の1にするといった話ではない」と、説明としては十分であると強調した。

その後は、8ページの要約をなぞりながら川口氏が見解を述べていったが、その説明は25分程度続き、しびれを切らした投資家が、「話が長い。あなたの意見を聞きたいのではなく、質問をしたい」などと川口氏の説明を遮る形で質疑応答に移った。

説明会に参加した投資家によれば、集まったのは十数人。海外から電話会議で参加した投資家もいた。

質問では、CEOなどの選任プロセスが法的には問題がなかったとしても、ガバナンス上問題であり、取締役会の決議は無効なのではないか、といった声が相次いだ。

取締役会議長だった潮田洋一郎氏と社外取締役だった山梨広一氏が、5人からなる指名委員会のメンバーでありながら指名される側になる決定をしたことについて、あまりにも慎重さを欠いていたのではないかといった指摘も出た。また、人事を決めた取締役会では指名委員の2人(バーバラ・ジャッジ氏、幸田真音氏)が別の会議への出席のために途中退席し、採決に参加していないのは不自然だという投資家もいた。

「残りの55%が全て機密だとは思えない」

弁護士による検証結果を会社が要約して公表したことについても、「全文を公表しないのか」「残りの55%が全て機密だとは思えない。第3者が精査して公表し直すべきではないか」といった不満が相次いだ。

報告書の要約が、潮田氏が「指名委員に対して、瀬戸氏がCEOを辞任する具体的かつ確定的な意思を有しているかのような誤解を与える言動をした」と指摘したことを受け、「潮田氏のウソが明らかになったのに、なぜ、決議が無効にならないのか」と不満をぶちまける投資家もいた。

説明会に参加した投資家の1人は、「残念な思いとフラストレーションがさらに増した」と憤る。「社外取締役は投資家の代表であるべきだが、結局は潮田氏を擁護する弁明に終始していた」というのが、その理由だ。また、別の投資家は、「表面上はガバナンス優良企業とされていたが、実態は株式の約3%しか持っていない潮田氏が牛耳っていることが問題。報告書も結論ありきと言われても仕方がない」と言う。

説明会の後、ある投資家は、「少なくとも株主総会では議決権を行使して、潮田氏の再任にはノーと言いたい」と打ち明けた。

リクシル潮田会長が部下に送った“パワハラ”メール

http://news.livedoor.com/article/detail/16295317/

上記より転載

リクシルでは、昨秋、瀬戸欣哉CEO(当時)の退任が突如発表されて以降、内紛が続いている。

この退任を巡っては、過程を疑問視する声が方々から上がり、弁護士らによる調査委員会が作られた。3月下旬には、英米の機関投資家4社が共同で、後を継いだ潮田CEOの解任を目的とする臨時株主総会を求める書面を送っている。さらに4月5日には、瀬戸前CEOが緊急記者会見を行い、「自分が戻ることで、この会社を正しい道に導くことができる」と、6月の株主総会で、自身を含む8人を取締役にするよう株主提案をすることを発表するなど、波紋が広がり続けている。

複数のリクシル関係者によれば、冒頭のメールは潮田氏が今年3月4日、広報部のA氏に送ったもの。A氏が、潮田氏の全社員宛てメールの草稿について、ある進言をしたことが、逆鱗に触れたと見られている。メールには、

「経営者としてギリギリの線を考えているのに下らない文章まで会長名で書こうとは何事か」「広報には向いていない」「(人事担当役員に)身の振り方を相談しなさい」

などと脅しのような文言が並んでいるという。

リクシル広報部に事実関係を尋ねると、「社内文書等に関するお問い合わせにつきましては、お答えいたしかねます」と回答した。

パワハラやコンプライアンスに詳しい山田秀雄弁護士が指摘する。

「このようなメールをトップが一社員に送ることは極めて問題で、パワーハラスメントに該当する可能性が高い」

http://news.livedoor.com/article/detail/16339227/

大手住宅設備メーカーLIXILグループの新旧トップが18日、首脳人事をめぐって泥仕合を演じた。

創業家出身の潮田洋一郎会長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で、2019年3月期に巨額赤字に陥る見通しとなった原因として、瀬戸欣哉前社長兼CEOの「無策ぶり」を指摘。瀬戸氏更迭の正当性を訴えた。一方、返り咲きを狙う瀬戸氏は、6月の株主総会で議題となる取締役の選任案に関して「潮田氏の影響力をなくすのが必要だ」と全面対決を宣言した。

「11億円の年俸を得ながら赤字を招いた責任をどう考えるのか、大変いぶかしく感じる」。潮田氏は高額報酬で迎え入れた「プロ経営者」瀬戸氏の手腕を、こう切り捨てた。LIXILはイタリア子会社の経営悪化に伴う損失で、19年3月期の連結純損益が530億円もの巨額赤字に転落する見通し。潮田氏は「瀬戸氏は何の手も打たなかった」と怒りをぶつけた上で、瀬戸氏起用を主導した「任命責任」を取るとして、辞任カードを切ってみせた。

一部の株主は、潮田氏と現社長の山梨広一氏の取締役解任を求め、臨時株主総会の開催を要求していた。今回の辞任表明で、潮田氏は解任に追い込まれる事態を回避。瀬戸氏は18日、記者団の前で「話のすり替えだ」と猛反発した。

また、巨額の損失計上を招いた伊子会社の買収は、潮田氏が主導した経緯がある。瀬戸氏は「もっと早く撤退できれば良かったが、社内事情で困難だった」と反論。暗に潮田氏への忖度(そんたく)が損失拡大を招いたとにおわせた。

後任人事に向け、瀬戸氏は定時株主総会で自身を支持する取締役の選任を求めて株主提案を行うが、保有株数が限られ、可決のめどは立っていない。潮田氏は創業家として影響力を維持できる顔ぶれを推す可能性が高く、瀬戸氏は「気に入った人を選ぶなら、かいらい政権と言わざるを得ない」とけん制した。突然の辞任劇の背景には潮田氏のしたたかな打算も透けて見える。

仰天の530億円赤字

https://www.mag2.com/p/money/669118

LIXILグループは4月18日、業績見通しの修正を発表し、2019年3月期の当期損益が530億円の赤字になる見通しと発表しました。

これは、潮田会長が経営を担当していた時にイタリアの会社を買収し、その業績が振るわずに減損処理(株式評価の見直し)を行ったものです。

LIXILグループは、直近では15億円の当期黒字の見通しでしたから、545億円もの下方修正になります。

そして、潮田会長は辞任の意向を表明しました。

潮田氏と瀬戸氏の対立

この問題は、会長である潮田氏が、社長の瀬戸氏を事実上解任したことから始まりました。潮田氏は、瀬戸氏がイタリアの子会社を滅茶苦茶にしたという考えです。

一方の瀬戸氏は、イタリア子会社という「お荷物」を引き受けさせられた、これは潮田氏の経営時代のものであるという考えです。

双方の主張は、平行線。

多くのメディアの論調は、創業者2世の「ボンボン経営者」潮田氏が、「プロ経営者」瀬戸氏に無理強いをしている、という論調です。

セブンイレブンの社長退任騒動と同じ

この問題をみていますと、セブンイレブンの鈴木氏の退任騒動と、似たような印象を受けます。

「プロ経営者」瀬戸氏側には、株主の海外ファンドなどがついています。セブンイレブンのときも「プロ経営者」を存続させろという声が強まり、鈴木氏の退任となりました

しかし、その後、セブンイレブンはどうでしょう? 明らかにファミリーマートの方が、創意工夫や勢いがありますね。

鈴木氏の「新しいものが出てこない」という社長への厳しい見解は、やはり正しかったのではないでしょうか。

プロ経営者の目線は任期中だけ?

同じように、LIXILグループも「プロ経営者」が率いると、しばらくの間は良くても、企業の競争力の面で問題が生じる可能性があります。

「プロ経営者」は、長期の競争力アップやダントツを目指すという姿勢ではなく、この先の2~3年ぐらい数字が良いということを求められるからです。

しかし、それではライバル社との長期の競争に勝つことはできません。

もっと、「天才的な才能」が必要なのです。

欧米企業の標準経営が優れていると言っても、同じことを日本企業がやったとしても、せいぜい同じレベルまでです。それより上がありません。

そういう意味では、「高い買い物」であっても、イタリア企業を傘下に入れ、欧州のデザイン力という破格の可能性を手に入れた潮田氏の方が、欧米にも勝てるLIXILをつくりあげる可能性は高かったでしょう。

日本のトイレは世界最先端

ところで、LIXILには、かつての「INAX」が加わっています。

LIXILの事業内容は住宅設備全般となっていて、日本のトイレの技術は、旧・INAXとライバルのTOTOが世界の最先端を走っています。

外国のトイレは、有名なホテルでもすぐに詰まってしまったり、実はあまり優れていません。

日本にいるとあまりわかりませんが、旧・INAXと、ライバルのTOTOの技術は、世界でトップレベルのポジションなのです。

ですから、もしLIXILの経営がおかしくなってしまった場合、実は、LIXILを買収したいという考えの海外企業・投資家は存在するでしょう。

今回の騒動をみるにつけ、LIXILが「標準経営」の会社になってしまい、日本の技術力が低下したり、先々、買収されることにならないかという思いがよぎるのです。

「潮田CEOに経営資格ない」 リクシル執行役らが文書

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000050-asahi-bus_all

首脳人事をめぐる混乱が続く住宅設備大手LIXIL(リクシル)グループの執行役ら10人が、潮田(うしおだ)洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)らのガバナンス(企業統治)体制に疑義を唱える文書を、役員人事案を決める指名委員会に送ったことが分かった。文書は26日付。指名委の委員長であるバーバラ・ジャッジ氏と委員宛てに送付された。

文書を出したのは、LIXILでグローバルな事業活動を執行・監督する上級執行役らで編成する「ビジネスボード」のメンバー全14人のうちの10人。「潮田氏のビジョンは従業員や株主、すべてのステークホルダー(利害関係者)にとって有害なものに思える」と主張している。昨秋にCEOに復帰した創業家出身の潮田氏に、経営幹部が公然と反旗を翻した格好だ。

 潮田氏と山梨広一社長兼COO(最高執行責任者)は18日の記者会見で取締役を退く意向を示したが、両氏は要請があれば引き続き経営に関与する考えも示唆した。山梨氏は執行役を続けるよう求められれば受諾する考えだ。

 指名委は近く、6月の定時株主総会に提案する取締役候補の案を発表する予定だ。執行役らは「潮田氏と山梨氏は当社を経営する資格がない」と批判し、取締役の候補者の選定にあたって幹部らの意見を聞くよう指名委に求めている。潮田氏主導の経営体制が続くのを防ごうとする動きが社内でも表面化してきた。

 執行役らは文書で「(両氏が)執行役に残られる限りは、LIXILが直面している重大な危機が去ることはない」と指摘。「潮田氏が山梨氏を通じて影響力を保ち続けるからだ」と理由を説明した。

部下に有害と呼ばれたリクシル会長の末路

http://news.livedoor.com/article/detail/16436598/

窮地に立たされている創業家出身の潮田CEO

住宅設備大手のLIXILグループ(以下リクシル)の経営権を巡る争いが佳境を迎えている。

会長兼CEO(最高経営責任者)で創業家出身の潮田洋一郎氏と、潮田氏に事実上解任された前CEOの瀬戸欣哉氏が経営権を巡って、株主の委任状争奪戦、いわゆるプロキシーファイトを6月下旬の株主総会に向けて繰り広げることになりそうだ。
2019年4月18日、記者会見で、厳しい表情を浮かべる潮田洋一郎会長兼最高経営責任者(CEO)

近く、リクシルの指名委員会が「会社側」の取締役候補を決定する。リクシルは指名委員会等設置会社で、社外取締役が主体となって設けられている「指名委員会」が候補者を決める仕組み。一方で、瀬戸氏側も、取締役候補8人を選ぶ「株主提案」を提出している。株主総会でどちらが多数を得るかが焦点になる。

こうしたプロキシーファイトに発展した場合、通常は「会社側提案」が有利になるケースが多い。金融機関など日本の大株主が会社側提案を支持する傾向が強かったためだ。

ところが、今回の場合、潮田氏は窮地に立たされている。

事の発端は、昨年10月末、社長兼CEOだった瀬戸氏の退任が発表され、それまで取締役会議長だった潮田氏が、会長兼CEOに就任、社長には社外取締役の山梨広一氏が就くことになった事だった。前述のようにリクシルは指名委員会設置会社で、潮田氏と山梨氏はそのメンバーだった。

「不透明」なCEO交代を機関投資家が疑問視

瀬戸氏の解任を決めた指名委員会では、潮田氏は「瀬戸氏から辞意を伝えられた」と説明、一方の瀬戸氏は、「(解任は)指名委員全員の総意であると説明された」と自らの意思ではないことを強調している。

そうした「不透明」なCEO交代について、欧米の機関投資家から疑問の声が上がった。世界最大の資産運用会社米ブラックロックや英投資会社マラソン・アセット・マネジメントなどがリクシルの取締役会に対してコーポレートガバナンス(企業統治)のあり方を厳しく問う書簡を送っていたことが、2月になってメディアの報道で明らかになったのだ。

リクシル側はCEO交代の経緯を調べた弁護士による「調査報告書」の概要を2月25日に公表、3月7日には一部の機関投資家向けに説明会を開いた。会社側は交代の手続きに法的な不備はないことを示そうとしたわけだが、逆に、火に油を注ぐ結果になった。指名委員会のメンバーだった潮田氏と山梨氏が自ら会長、社長に就いたことがガバナンス上、重大問題だとする声が強かった。

しびれを切らしたマラソン・アセットなど機関投資家4社は3月20日に共同で「臨時株主総会の招集請求を行った」と発表。潮田氏と山梨氏の取締役解任を議題とするとした。これにはリクシル統合前のINAXの創業家の伊奈啓一郎氏も賛同、共同提案者に名前を連ねた。
■追い詰められた潮田氏らが選んだ「奇策」

当初、リクシル側は5月中下旬に臨時株主総会を開催するとしていたが、追い詰められた潮田氏らは「奇策」に出る。

4月18日、5月20日の取締役会で取締役を辞任すると発表したのだ。通常ならば、6月の定時株主総会をもって退任すると発表するものをわざわざ5月にしたのだ。5月中旬で辞任してしまえば、取締役解任を求める臨時株主総会を開催する意味がなくなるからだとみられる。臨時株主総会で仮に取締役を解任されれば、潮田氏はリクシルの経営に関与することが今後一切できなくなる可能性もある。

さらに取締役の辞任発表のリリースにはご丁寧にもこんな一文があった。

「なお、両名からは、現時点で、潮田氏においては代表執行役会長兼CEO、山梨氏においては代表執行役社長兼COOの各役職を辞任又は退任する意向は示されておりません」

取締役は辞めるがCEOは辞めないと読める発表文に、記者からの質問が相次いだ。会見した潮田氏は会長兼CEOも辞任する意向を示したが、期日は6月末の株主総会ということになっている。

業績悪化の責任は「瀬戸氏にある」と攻撃

退任会見では同時に、業績修正も発表した。45億円の黒字予想だった2019年3月期の業績見込みを大幅に下方修正、イタリア子会社での損失計上で530億円の最終赤字に転落するとし、これらの業績悪化の責任が「瀬戸氏にある」と攻撃してみせたのだ。しかも、自身が辞める理由を「瀬戸氏をCEOに任命したこと」とした。

どうやら潮田氏は完全に引退する気はさらさらないのだろう。会見でも、要請があれば引き続き経営に関与する考えも示唆している。

問題は、近く公表される「会社側」の取締役候補者の提案がどんなものになるかだ。潮田氏の影響力が残るのか、それとも瀬戸氏や機関投資家が納得する人物が候補として挙がってくるのか。

現在の指名委員会は社外4人と社内1人の5人の取締役で構成される。委員長はバーバラ・ジャッジ氏で、英国の経営者協会で会長を務めるなど英米で要職を歴任し、2015年にリクシルの社外取締役になった女性だ。

さらに元警察庁長官の吉村博人氏、作家の幸田真音氏、公認会計士でリクシルの監査委員会委員長の川口勉氏が社外取締役だ。社内取締役の指名委員は菊地義信氏。LIXILグループの母体企業の一つでトステム出身者だ。トステムは潮田氏が創業家である。

所有株式が3%以下でも「オーナー」然とふるまえた

瀬戸氏や伊奈氏ら株主提案を行っている「反潮田」派の人たちは、指名委員会が、菊地氏を通じて潮田氏の影響下にあるのではないかと疑っている。

大型連休前に、リクシルの上級執行役らで編成する「ビジネスボード」のメンバー14人のうちの10人が、指名委員会に文書を送ったことが明らかになった。

報道によると、そこには「潮田氏のビジョンは従業員や株主、すべてのステークホルダー(利害関係者)にとって有害なものに思える」と書かれているといい、経営幹部が公然と潮田氏に反旗を翻した格好になっている。

こうした経営権を巡る騒動が表面化するのは、日本企業のコーポレートガバナンスが大きな変革期に来ていることを示しているのではないか。

おそらく20年前だったら、創業家の「大物」が社長のクビをすげ替える事に誰も異論を挟まなかったに違いない。仮に創業家出身の会長が大株主でなくても、である。実際、潮田氏は創業家出身と言っても、個人で所有する株式は発行済み株式数の0.15%、信託財産で議決権行使の「指図権を留保している」とされる株式を加えても3%に満たない。それでも「オーナー」然としてふるまえるのが、かつての日本企業だった。

一連の騒動の発端は「実力者の独断専行」

その背景には、銀行や生命保険会社といった大株主が、ほぼ無条件で会社側に投票する「モノ言わぬ株主」であり続けたからだ。株式持ち合いといった仕組みによって事実上、経営者に白紙委任されていたのだ。

日本のコーポレートガバナンスの改革は2000年前後から進んだが、株主の行動が変わらない中で、ガバナンスの仕組みだけ変えても、実態は同じだった。指名委員会等設置会社は2003年に施行された。いわゆる監督(取締役)と執行(執行役)を完全に分離する欧米型を目指した。指名委員会の設置も義務付けられたが、現実には指名委員会がガバナンスの要として機能したとは言えなかった。

まっさきに導入してガバナンス先進企業と言われた東芝も一例で、実力者である会長(社内取締役)と、役人OBなどの社外取締役で構成された指名委員会は、事実上、会長の方針を追認するだけの機関になり、むしろ会長に権限が集中した。今回のリクシルも同じ構図で、瀬戸氏を解任した当時は委員長だった潮田氏に権力が集中していたとみていい。

ひと昔前ならば、社長の指名権を握る「実力者」の思うがままだったのだが、ここへきて騒動に発展したのは、機関投資家の行動が大きく変わったことにある。

「会社側提案」が無条件に通る時代は終わった

2014年以降、導入されたスチュワードシップ・コードによって、生命保険会社や年金基金などの機関投資家は、加入者の利益を第一に議決権行使を行うことが求められるようになった。この結果、会社側提案に無条件で賛成できなくなったのだ。

さらに、個別の議案での議決権行使の内容を開示する機関投資家が激増。会社側提案だからといって株主の視点から疑義のあるものには賛成しない傾向が強まった。例えば、リクシルの主要株主でもある第一生命保険の場合、2018年4月から6月に開かれた株主総会1799社のうち会社提案について1件以上反対した会社は204社にのぼった。何と11.3%である。

今回のように海外投資家が厳しい目を向ける中で、リクシルの会社側提案に日本の機関投資家が無条件で賛成することはありえなくなっているのだ。

リクシルの指名委員会による会社提案が、瀬戸氏らの株主提案よりも、機関投資家からみて優れているものにならない限り、会社提案が否決される可能性は十分にあるとみていいだろう。

潮田氏はCEO復帰を目指す瀬戸氏の経営手腕に対する批判を強めているが、機関投資家からみて瀬戸氏より優れた人物を会社側が提案できるかどうかが焦点になる。これまで不信感を買った潮田氏の影が見える人事案が出てくるようなことがあれば、機関投資家が一斉に反発するのは必至だ。

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