就職氷河期世代は優秀でも悲惨.支援は手遅れ?

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191230-00000505-san-soci

中途採用比率の公表義務化 3年4月から大企業に

政府が全世代型社会保障改革の一環として行う雇用制度改革の詳細が29日、分かった。令和3年4月から従業員301人以上の大企業に、中途採用の比率公表を義務付ける方針だ。同年10月からは70歳までの就業機会を作るよう、企業に努力義務を課す高齢者就業支援を実施する。来年1月召集の通常国会に労働施策総合推進法や高年齢者雇用安定法などの改正案を提出し、成立を目指す。

 中途採用比率の公表義務化は、求職者と企業側のマッチングを促す効果が期待できる。大企業に伝統的に残る新卒一括採用が中心の採用制度を見直し、就職氷河期世代や高齢者らの中途採用に加え、経験者採用の拡大を図る狙いがある。

 公表義務を課す対象は、企業規模が大きくなるにつれて中途採用の比率が減少する実態を踏まえ、従業員301人以上の大企業のみとする。企業のホームページなどでの開示を求める。実績が分かるように、直近3年分の比率を公表させる方向で検討している。

 「中高年層の中途採用・経験者採用比率」「管理職の中途採用・経験者採用比率」なども公表できる仕組みにする。

 政府は高齢化に伴う社会保障費の増大と現役世代の減少に対応するため、社会保障の「支え手」を増やす取り組みを進めており、中途採用を広げることで長期的な雇用を確保したい考えだ。

 一方、70歳までの就業機会の確保については、企業に対し、(1)雇用による支援として、定年廃止や70歳までの定年延長、他社への再就職の実現(2)雇用以外の支援として、定年後または65歳までの継続雇用終了後にフリーランスや起業した人との間で70歳まで業務委託契約を締結する-などを求める方針だ。将来的にはこれらを義務化する見通し。現行法では、希望する人全員を65歳まで雇用するよう義務付けている。

 このほか、現役時代に比べて賃金が大幅に下がった60~64歳の高齢者に穴埋めとして支給する「高年齢雇用継続給付」を7年度から段階的に縮小する。次期通常国会に雇用保険法改正案を提出する。

https://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/190411/ecn19041107000002-n1.html

ひきこもり多い氷河期世代…「生活保護入り」阻止へ早期対応

10日の政府の経済財政諮問会議で、民間議員が提言した「就職氷河期世代」の集中支援。バブル崩壊後の景気悪化で新卒時に希望の職に就けないままフリーターや無職となった若者たちは既に30代半ばから40代半ばに達し、自宅にひきこもるケースも少なくない。政府は3年間の集中プログラムを通じて就職氷河期世代を正規就労に結びつけ、高齢期の生活保護入りを阻止したい考えだ。(桑原雄尚)

 民間議員の提言は、3月の前回会議で安倍晋三首相が「就職氷河期世代への対応が極めて重要」と述べ、本格的な支援策の早急な検討を指示したことを受けたもの。厚生労働省も10日の会議で、支援強化に向けた「就職氷河期世代就職実現総合プラン(仮称)」の策定を打ち出した。

 内閣府によると、就職氷河期世代を「平成5年から16年ごろに卒業期を迎えた世代」とすると、人口規模は30年時点で約1700万人で、このうち支援対象となるのはフリーターやパートといった非正規社員、無職など約400万人に上る。これらの人の多くが加入しているのは国民年金とみられ、高齢期に収入が月数万円の年金しかなくなり、そのまま生活保護へ転落することも予想される。

 特に深刻なのは中高年のひきこもりだ。内閣府は3月、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる40~64歳の人が全国で61万3千人いるとの推計値を発表。就職活動でのつまずきがひきこもりの一因となっている可能性も指摘されている。20代から就労経験がないまま、中高年になっても親の年金を頼りにひきこもり生活を続けた場合、親が亡くなり年金収入が断たれてしまうと、途端に生活不能に陥ってしまう。政府にとっても生活保護の増加は大きな財政負担となりかねない。

 政府の集中プログラムでは、民間議員の提言に基づき、ハローワークや大学、経済団体などが連携する協議会を通じて支援対象者を把握した上で、具体的な数値目標も定めて減少させていく方向だ。就職氷河期世代の正規就労が進めば、厚生年金の加入で高齢期の所得が確保されるほか、生活保護の減少により財政が健全化。人材不足に直面する企業にとっても就職氷河期世代が大きな戦力となり、経済成長にも寄与する。

 就職氷河期世代の最年長者は50代を目前に控え、残された時間は少ない。政府の集中プログラム実行への意志が問われることになりそうだ。

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