ごますりで出世した男の末路

サラリーマンのごますり太鼓持ちは出世に必須?

私のかつての同僚でゴマすりだけで管理職にまで出世した男がいます。

しかしながら、最後は自分を引き上げてくれた上司の失脚とともに退職を余儀なくされました。

この男のゴマすりは、傍で見ていて気持ち悪いくらいでした。

上司のバックには親会社が

ゴマをすられた方の上司は、親会社の役員だったか大株主の娘と結婚したとかで、社内では知り得ない親会社の情報を知っていたりして幅をきかせていました。

失脚したときの上司の当時の肩書は次長でした。

社内では悪代官と呼ばれていました。

実際に時代劇に登場する悪代官のような容貌でした。

ちなみに親会社は一部上場企業のメーカー、我々の勤務先はこのメーカーの子会社で二部上場企業でした。

ちなみに、このゴマすり男と次長が出会ったのが、次長がまだ班長、ゴマすり男が平社員の時です。

ゴマすり男の直属の上司が偶然にも悪代官だったのです。

ゴマすり男は目の前の上司を喜ばせようとしたのか?

あるいはそれ以外の理由かは不明ですが、会社では率先して、悪代官の汚れ仕事を引き受けていました。

もちろん休日でも競馬場やパチンコ屋、ゴルフ場までカバン持ちのようにしてついて行っていました。

上司が飲みにいくとなれば当然、クルマを出して送り迎えです。

酒の席でも自身は一滴も飲まずに(クルマを運転するのですから当然ですが)太鼓持ちのようなことをして、ご機嫌取りをします。

この酒席は、別に顧客を呼んでの接待とかではありません。

ただ単に悪代官の個人的な飲みです。料金は領収書をもらい、会社の経費で落としていました。

悪代官が親会社の役員の娘(自分の嫁)の権勢をバックに班長から職長、係長、課長へと昇進するたびにゴマすり男も、また順調に後釜に座ることで出世していきました。

悪代官のポストが空くと、その席に自分が就くのです。

ゴマすり男が結婚するときの媒酌人は、もちろん悪代官です。

ゴマすり男の結婚相手の女性は悪代官のお手付きだったという噂がありますが、真偽のほどは不明です。

仮に、そうであれば穴兄弟ということになります。

気持ち悪いですね。

親会社が変わる

こうして、順調に出世していった悪代官とゴマすり男でしたが、会社が赤字続きということで親会社が、子会社である我々の勤務先の会社を別の会社に売却することになりました。

自分の個人的な飲み代を会社の経費で落としているような会社です。

赤字になって当然ですね。

この時の役職は悪代官が次長、ゴマすり男が課長でした。

課長の下には部下が100人くらいいました。

一応、部下の人間は課長に対して、それなりに慇懃な対応をするのですが、皆、腹の中では見下すというか、小馬鹿にしています。

ガチではなくゴマすりで出世したことを知っているからです。

逆にガチの実力で出世して課長になった人は、部下からの信頼も厚かったです。

親会社が変わることで会社での風向きも変わり始めます。

会社の制服が一新されました。

親会社のデザインと同じものです。

新しい親会社から管理職クラスの人間が数名、出向という形でやってきました。

パワハラ

新しい親会社の管理職からしたら、目障りなのが、かつての管理職です。

この時の状況は敗戦国の日本にGHQが乗り込んできたときと同じような状況です。

東京裁判ではないですが、パージ、公職追放のようなことが始まりました。

吸収合併が行われた会社ではよくある光景です。

ちなみに、親会社から出向してきた部長が吸収された方の、旧管理職を全員集めて最初に言った言葉が、

「オマエら、全員、まとめて地獄に落としてやる」

だったそうです。

言われた方は、どういう風に思ったのでしょうか?

次長も悪代官のような風貌をしていましたが、この出向でやってきた部長は前科持ちのような人相でした。

まず始まったのが、仕事のやり方を新しい親会社のやり方に変更することです。

それに伴い、難くせをつけて吸収された会社の役員へのパワハラが始まります。

「あれが出来ていない」

「これが出来ていない」

揚げ足をとるようにして難くせをつけて、やらなくても良いような仕事を増やしていきます。

しかしながら、平社員は無風状態で、まったく影響はありませんでした。

ターゲットにされた旧管理職の人は、仕事が終わるというか、一旦切り上げるのが深夜4時というのが常態になりました。

始業時間は午前8時30分です。

今なら、法律違反になるのでしょうが、(当時もたぶん労働基準法に違反していたはずです)

タイムカードを18時くらいに、一旦通してから、夕食も取らずに再び自分の仕事を始めるのです。

午前4時に、自分のイスで仮眠をとり、午前8時くらいに起きて、コーヒーとタバコを朝食にして、また仕事を始めるのです。

昼食は会社の食堂でとっていましたから、一日一食です。

一か月もしないうちに旧管理職の人は、げっそり痩せていきました。

さらに部長のパワハラが続きます。

この部長は陰で「偉大なる将軍さま」と呼ばれるようになりました。

退職強要

どんな話があったのかは不明です。

旧管理職の人が一斉に退職することになりました。

当時の役職で言うと、課長、次長クラスの人です。

悪代官もゴマすり男も、当然含まれます。

退職強要があったとのことでした。

気の短い人の中には、怒って引き継ぎも何もなく、怒って次の日から会社に来なくなった人もいました。

こうして、旧管理職全員のクビはすげかえられました。

ごますりで出世するのも良いですが、自分を引き上げてくれた上司が失脚すると、当然、それにともない、ごますりも失脚します。

人生、どこで何があるかは分かりません。

ごまをするなら、相手のことを良く見極めてやったほうが良いかもしれませんね。

ごますりは実力?

上記はメーカー、製造業でごますりして出世して失脚した男の話でした。

しかしながら、「ごますり」も実力?と言えるような職種もあります。

営業です。

上司に対して、ごますりをすると言ったら嫌悪感を抱く人もいるかもしれませんが、顧客に対してごますりをする、となったらどうでしょうか?

ちなみに斎藤一人さんは、「上司の機嫌ひとつも取れないヤツが、お客の機嫌をとれるはずがないんだよ」

と、仰っています。

確かにそうかもしれません。

上司は部下を正当に評価できないものです。

自分が逆の立場になれば分かるでしょう。

営業は数字が全てです。

 しかし、これも顧客の属性、種類によって結果が変わって来るものです。

また担当するエリアによっても成績は変わってくるものです。

上司の評価なんてアマゾンや食べログの星の数のようなものかもしれません。

外資系企業 ごますり

外資系企業、特にアメリカ系の企業は、ごますりが蔓延っています。

ボスがアメリカ人なら、なおさらです。

米国本国ではごますりがエスカレートして女性に対してはセクハラまがいのことも横行しているようです。

怖いですね。外資系企業への転職は慎重になったほうが良いかもしれません。

 

警察官 ごますり

私の友人が警察官に就職しました。

公務員なので安定していて、うらやましいと言ったら、結構大変な感じでした。

警察は24時間体制なので、基本的に交代制です。

深夜勤務も当然のこととしてあります。

さらに極めつけは上司に対するごますりです。

知人の上司は趣味が釣りとのことでした。

なので休みの日には上司について自分も釣りに行かなければならないとのことです。

ただ、魚釣りにいくだけなら良いのかもしれませんが、上司の使ったクーラーボックスの掃除までやらせられるということでした。

釣りが仕事なら、漁師になったほうがマシかもしれないとは知人の弁です。

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