挨拶しない人が職場にいる

 

こちらが、あいさつしても返事をしない人がいる。

かつては直属の上司で折り合いが悪かった先輩である。

現在は、直属の上司ではなく、この先輩の指揮系統には入っていないが、仕事はできる人である。

親会社が変わったときに、左遷されて現在に至る。

この人と一緒に仕事をするのは、13年ぶりである。

人を選んで挨拶する人

この先輩は、人を選んで挨拶する人らしい。

私が「おはようございます」と言っても、隣に座っている人と歓談しているか、スマホを見ているだけである。

では、全ての人間にあいさつをしないのか?というと、そんなことはない。

きちんとあいさつを返す人には以下のパターンがあった。

@女性

派遣社員、正社員を問わず、女性にはしっかりとあいさつを返す。

ちなみに、この先輩は今年の春に入社した新人女性社員にデレデレである。

傍目に見ても気持ち悪い。

かつて、この人が職場のナンバー3であった時、お気に入りの女性派遣社員を横にはべらせて悦に入っていた。

人の本質は変わらないのかもしれない。

@合う人間

合うというか、近いところで仕事をしている人間には、割とあいさつを返しているようである。

私のことを仕事の出来ない人間と認定して、あいさつを返してこないのだろうか?

この先輩は、人によって挨拶しない人のようである。

無視されているわけではない

この先輩であるが、話しかけたら反応というか対応はしてくれる。

会社の飲み会があったたきに、(結果として私は不参加だったのであるが)アイツと一緒に飲みたかったと言っていたと人づてに聞いた。

他者の口から、このような話を聞くのは良いものかもしれない。

新しく異動になったときは、真っ先にこの先輩のところにあいさつに行った。

仕事で失敗したときには何かと助けてもらった。

それでも、「おはようございます」に対してのリアクションはない。

高卒である先輩は、大卒の私に嫉妬しているのか?

実は、この先輩には過去に傷害事件を会社内で起こされたことがある。

その時のことを、まだ根に持っているのであろうか?

下記に当時の記録を載せる。

退職 慰留 引き止めを拒否?傷害事件

「全治2週間」

私が会社に提出した病院の診断書に記載された診察結果である。

仕事のやり方が悪いという理由で、

会社内で「殴る、蹴る」の暴行を当時の直属の上司から受けた。

当時の私の勤務先では、この係長による殴る、蹴るが常態化していた。

気に食わない人間に対しては毎日行っていた。

これまでケガ人が出なかったのが不思議なくらいである。

思うに、この上司は人を殴ってケガをさせたら傷害罪になることを知らなかったようである。

知っていれば手加減なしに人を殴るなんて出来ないはずである。

この程度の人物が上司だったのだ。

この程度の会社だったのだ。

財閥系の会社と言っても、この程度なのだ。

腫れ上がった股間の痛みを抱えて病院に行った。

まず、病院で言われたのが「第三者行為なので健康保険は適用外です」ということであった。

 

腫れ上がった股間を診察してもらうときに医師と看護師の前でパンツを脱がなければならない。

看護師の顔を見た途端、「チェンジ」と言いたくなった。

MRI,その他の診察を健康保険なしで自腹で支払うと7万円ほどかかった。病院内のATMでカネをおろして支払った。

その足で警察に行った。

最初は若い担当者が出てきた。

事情を話し始めると面白がって、署長をはじめエライさんも含めて、ほぼ全員?20人くらいが、私の話を聞くために集まってきた。

普段は特別に変わったこともない田舎の警察署である。

同じ時間に交通事故が発生したらしいが、そっちは放置して警察官たちが野次馬のように、

私の周りに集まった。

彼らはハッキリとは言わないが、交通事故を1件挙げるより傷害事件を1件挙げる方が成績になるというような意味のことを口にした。

結局、彼らも雇われなのである。

署長が言った。

「こういうのは子供の万引きと同じで、一回痛い目に合わないと分からない。診断書があるので確実に初犯、起訴猶予、罰金30万円になります」

具体的な数字を挙げて説明した。

被害届を出すのは、次の職場が決まってからにして欲しいと言うと、

署長が訝しげに訊いてきた。

「普通の会社なら、殴られた方ではなく、殴った方が辞めなければならないんじゃないか?」

世間的な常識では、そうである。

しかしながらブラックな職場では、その逆だということを署長は理解できないようであった。

こんな黒い会社であるが、一応財閥系なのだ。

地元では、この会社の仕事で食っている関連会社がたくさんある。

北朝鮮と何ら変わらないのではないか?

会社に帰って診断書を課長に提出した。

この課長は私の直属の上司の上司である。事実上の職場のトップである。

私に暴行を加えた上司の更に上に当たる人物である。

「それで、オマエ、病院でなんて言ったんだ?まさか会社で上司に殴られましたなんて言ってないだろうな?」

事態が明らかになれば会社始まって以来の不祥事である。

課長はコトが表沙汰になり、会社に警察が来ることを恐れていた。

当然であろう。

上司といえど、彼もまた雇われである以上、自己保身しか考えない。

「別に何も聞かれませんでしたよ。健康保険で普通に診察してもらいました」

私は、課長の泣き出しそうな顔を見て、何食わぬ顔で嘘をついた。

課長は、取りあえず安心した表情をした。

今はまだ手持ちのカードを切る時ではない。

私は、そう考えていた。

この課長の下の係長、私の直属の上司からは、これまで何度もパワハラを受けてきた。

何十キロもある設備備品を脚に落として、ケガをして出血したときも病院に行くなとか、

私一人で深夜まで作業させるとか(この時、体重が50キロを切った。男で40キロ台の体重というのは相当不気味である)

これを奇貨として私は、この係長にケジメを取りに行くつもりであった。

知り合いの議員に手を回し、逮捕の瞬間にはテレビと新聞社を呼ぶ予定であった。

ヤツが手錠をかけられた姿が、少なくとも地方版の新聞と夕方のテレビニュースで報道されることになっていた。

場合によっては全国版で流れるかもしれない。

手を貸したくれた議員は、このことをブチ上げて自身の手柄にする予定であった。

逮捕の場所は会社にするか、係長本人の自宅にするかで迷っていた。

当然、ここまでやると、この会社には居場所がなくなるので辞めるつもりであった。

私は次の就職先を知人のツテで直ぐに決めた。

二週間の就職活動であった。

「全治二週間」と書いてある以上、二週間以上は休めない。

課長に辞表を出しに行った。

裁判の際には証拠となるように会話を録音することにした。

上着のポケットに録音機を忍ばせた。

小型マイクは右袖から出した。

見えにくい位置に固定した。

辞表を提出すると課長は困った表情をした。

当時、仕事で進めていた案件があったのだが、その仕事の責任者が私だったのだ。

私が抜けると案件が宙に浮く。

自社だけでなく、関連会社、他社をも巻き込む形になる。

課長は頼むから出社して欲しい、と脅したり、なだめたりして懇願してきた。「退職 慰留」である。

思えば、この課長には世話になった。

係長からパワーハラスメントを受けたときも、この人は味方になってくれた。

この課長の面子を潰して良いのだろうか?

私は何か、引っかかるものを感じた。

犯人である係長にケジメを取りに行くと課長まで巻き込んでしまうのだ。

犯人の上司ということで、当然監督責任を問われることになるであろう。

私がやろうとしていることは果たして正解なのか?

 

結論から言うと、私はこの課長の面子を立てて被害届を出さないことにした。

治療費についても、この課長が、

「全額、出してやるから領収書を持ってこい」

と言ったが領収書は提出していない。

いつの間にか、うやむやになった。

しかしながら、この時の領収書、診断書、辞表を提出したときの会話を録音したデータは今でも私の手元にある。

まだ時効にはなっていない。

自分の判断が正しかったのか否かは、自分でも確証はない。

異動で13年ぶりに同じ部署になる

この先輩には、13年ぶりに同じ部署になったときに、最初にあいさつに行って、その後も過去の反省?(当時、私はこの先輩に塩対応であった)もあり、何かと相談に行ったりした。

現在の部署で失敗したときにはフォローもしてもらった。

それでも、朝の「おはようございます」には返事がない。

理由はいったい何故であろうか?

ちなみに、この時の傷害事件の時効は、あと半年後である。

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