リストラ,半導体メーカーが外資系に


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「君たち明日から吸収合併で親会社が変わるから」ということを上司や労働組合から言われるなら、まだしもテレビや新聞のニュースで先に知ったら、どんな気がしますか?

良く自社の不祥事のニュースについて社内でまったく説明がないので、テレビや新聞、酷い時は2ちゃんねるの掲示板の噂話で詳細を知るなんてことがあります。

しかしながら、某半導体メーカーでは、親会社による身売りについて、これと同じようなことがありました。

この日本の半導体メーカーでは、長らく続く市況の変化、外国メーカーからの追い上げ、為替の変動により、業績低迷にあえいでいました。

赤字決算も、これで何期続いたか分かりません。従業員を食わせるだけの仕事がないので、少しだけ協力関係にある住宅建材メーカー(半導体メーカーではありません)に出向という形で社員を派遣していた時期もありました。

それで、親会社が最終的に下した決断が「身売り」「吸収合併」「事業売却」です。外国の半導体メーカーに工場、従業員をまるごと売却する決定を下したのです。

従業員にしたら「寝耳に水」です。下っ端の作業員だけでなく工場長クラスの人間にも何の説明もありません。社内的には「報道のような事実はないと」いうアナウンスが繰り返されていたようですが、真っ赤なウソ、単なる大本営発表でした。直接、関係のある人間はテレビや新聞から情報を得る有り様です。

地元の雇用、経済に大きな影響があるということで、工場のある地元の市長、県知事までが工場長に詳細を聞くため面会を求めました。一応、市長、県知事は工場長に会うことは出来ました。

しかし、その工場長から市長に対して言われたのが「我々も何も聞かされていない。本社のエライさんに聞いてくれ」でした。

従業員の誰もが、自分の将来に不安を抱えていました。最終的には九州、中国地方、関西の工場は閉鎖、北陸は売却で存続ということで決定されました。労働組合が無力であったことは言うまでもありません。

ちなみに閉鎖された工場の従業員は全員解雇です。退職金も割増しどころか、社内規則の半額だけを当面支払うというガメツサでした。

まるでウィリアム・シェイクスピア作品のベニスの商人に登場するユダヤ人、シャイロックのようなものです。

ちなみに、こうしたシビアな対応の理由として、買収先の外資系企業の言い分としては「株主利益を優先させる」というものでした。では、その株主というのは誰ですか?というのが素朴な疑問です。

今後の予想される展開としては(あくまでも予想ですが)成果主義の導入、正社員を減らして派遣社員を増やす。(人件費の抑制)こういったところでしょうか?

まさに 「去るも地獄、残るはもっと地獄」というところでしょうか?

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