夜勤の初日

夜勤の初日には昼食の時にアルコールを飲むことが多い。寝酒である。その後、約６時間くらいは寝るのでアルコールは抜ける計算である。
ところが、今日に限って酒が抜けていない。珍しく便所で吐いてしまった。酒を飲んで吐くなんて学生の時以来ではないか。

吐いたものはウィスキーと一緒に胃に入れたドミノピザである。遺伝子組換え食品、ＧＭＯ丸出しのマルゲリータを吐いても別に惜しくはないのであるが。

アルコールが残っているのには参った。通勤手段は自家用車しかない。

仕方がないので、そのままクルマに乗る。通勤途中で、酔いを醒ますためにコンビニでお茶を買った。お茶で胃の中を薄めるのだ。
まだ、だいぶ酔っているのでであろう。店の前でペットボトルを落としてしまった。

国道を走っていると後続のトラックが車間距離をあけてくる。運転がヤバそうに見えたのかもしれない。安全運転で会社には何とか到着した。

会社に着いてもフラフラである。周囲の人間には熱っぽい、風邪薬を飲んだら余計に眠くなったと言い訳した。仕事を始めて二時間くらいで酔いが覚めた。次回から夜勤の初日の昼間に寝酒を飲むことはやめよう。以前は酒と一緒に睡眠薬を飲んでいたものであるが。

カバンの中に入れておいて、持っていく予定だったテイッシュをクルマの中に忘れてきたことに気付いた。制服は忘れずに持ってきた。

不思議なもので熱があると言っていると本当に熱があるような感じがしてくる。

知恵熱というのは本当かもしれない。作業を始めて２時間くらいでアルコールが抜けてきた。

会社でも、お茶をがぶ飲みである。それでお茶を買うために財布を開けると、昨日のドミノピザの領収書が出てきた。クレジットカード決済になっている。まったく記憶にない。

この時に、ふと思ったのであるが、私は何を着てピザを買いに行ったのであろうか？もしかして寝間着？デニムとジャケットなら問題はないのであるが、寝巻きで買い物に行ったとしたら非常に恥ずかしい。これがまったく思い出せない。

家に帰って便所のフタを開けると、昨日の吐瀉物が便器にこびりついていた。赤いトマトであった。昨夜は暗くて良く分からなかった。

トイレットペーパーでこすって落とした。しかし、乾燥した吐瀉物はなかなか落ちない。トイレットペーパーを水で濡らしてこする。これで何とか綺麗になった。

家族から「いいトシして、何をやってがやがる」と言われた。昨日、吐くところを見られたらしい。

「肝臓を大事にしなさいよ」と言われた。なので、夜勤明けにも関わらず、今日は酒抜きである。